「肩に担がれるか、おんぶされるか……選べ」

「………おんぶ……」


ポツリと呟いて返すと…会長が、あたしの前に背中を向けてしゃがみ込む。

手を伸ばして、会長の首に腕をまわした。


「………重いよ……?」

「…どこがだ。……軽すぎ」


フッと笑うと、会長はあたしをおんぶして…公園の入口へ歩き出す。

会長の背中は、広くて…すごく温かった。



泣きじゃくるあたしを叱ることもなく、泣き止むまでずっと抱きしめててくれた。

口は悪いけど……優しいんだね。会長って。

泣き疲れて…1人で立てなくなったあたしを、こうして嫌な顔をすることなく…おんぶしてくれる。


「……会長の彼女になった女の子は……幸せだろうな……」

「……なら、なるか?俺の女に」

「えっ?」


会長の言葉を聞き取れず、聞き返した。