央のアパートに行く日がとうとう明日に迫った。



あたしはルンルンで学校をでた。



「じゃあね、由宇希!」



咲子が自転車であたしを追い越していく。



「またね!」



あたしも大きく手をふって答えた。



校門に向かって歩いていくと、なにやら人だかりが出来ている。



というか、そこだけ人の流れがゆっくりだ。



主に、女子が。



友達同士でクスクス笑いあいながら、横目に何かをみていく。



なんだろう。



あたしはそのかたまりを避けて校門を出ようとした。



「由宇希。」



なんだか、聞き覚えのある声が聞こえた気がした。



まさかね。



ちょうど人が掃けたところまで出たので、そのまま足を止めずに歩いた。



「ねぇ、ちょっと。」



やっぱり聞き覚えのある声。



あたしはゆっくり振り返った。



「久し振り。」



校門の石の壁にもたれて座りこんでいる海斗がいた。



え………?



どういう…。