「お疲れ様です。お先に失礼します」


もうこの会社に入って、

5年が経っていた。


何も変わっていなかった。



ただ外見が

落ち葉が徐々に

水分を失って、

枯れ葉になるように

変わっただけ。



中身は物心ついた時から

何も変わらない。


「自分はここにいる」

と存在を認めて

もらうことに

目覚めた時から。




入社したころは

「IT系」

といえば

誰からも偽善に似た

賞賛が得られた世界。




それが今では、

「IT系」...


死語以外の何者でもなかった。