ケータイ小説 野いちご

エレファント ロマンス

6.
Homo sapiens 【ヒト】

人間ほど複雑な感情を持った生き物は他にいないだろう。


自分でも気づかないうちに、誰かを好きになっていたりする。


そしてその恋心に気づいた途端、気持ちが弱くなったり、強くなったり……。


私は透真に出会って、少しずつ強くなってきたような気がする。


ついに鳴沢先生と対決する決心を固めるほどに。


何の不安もわだかまりもない晴れ晴れとした気持ちで、透真に
『あなたが好きです』
と、告白したい。


恋がこんなに人を強くするなんて、それまで私は知らなかった。


『分類:哺乳綱 霊長目 真猿亜目 狭鼻下目 ヒト上科・ヒト科』

『ヒト』


この星で、この時に、透真と同じ『ヒト』に生まれてこれてよかった……。


そんなことに感謝できるのも、人間だからかな。

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