同じ頃、晴陵高校と合併が決まっている天陵高校でも会長の椿 真琴がメンバー表に目を通していた。



「また見てるのか?」



あっちの生徒会長と違って真面目な真琴は、もう何度も書類に目を通していた。



「あぁ。いよいよ明日だと思うと落ち着かなくて」



男兄弟の中で育った真琴は言葉遣いは男っぽいが、優しくて責任感が強い。



「大丈夫だ。上手くいく」



副会長の進堂 雄介が真琴を安心させようと自信満々に言った。



「雄介は大丈夫なのか?」


「何がだ?」


「梨央ちゃんの事…」



真琴が聞いても良かったんだろうか、と気まずそうに雄介を伺う。



「済んだ事だ。俺はもう平気だ」



雄介は自分を心配してくれている真琴の心境を察して気にしなくていいと優しく微笑んだ。