林檎。
りんご。
リンゴ。


どう書いてもリンゴはリンゴ。


まだ三日目だというのに、わたしは飽き飽きしていた。


それなりに工夫はした。


・品種を変える
・皮を剥いてみる
・ウサギの形に切る


が、やはりリンゴはリンゴ。その後に飲む水まで、リンゴの味がするし。


一人、校舎の裏、歯の間に挟まった果肉を舌で取りながら、どうしたものか、と思案していると、


「ニャ~♪」


いつものおこぼれを期待してか、野良猫が集ってきた。


「ゴメンね、今日はリンゴしかないの」


猫にリンゴを与えていた時、


「ネコ好きなんだ?」