―明日は必ず来る―



「奈、桜」


コンサート会場に入ろうとした奈桜の後ろから声がした。


「よぉ」


振り返り、笑って手を挙げる。


「ドラマ、観たよ!良かった。マジで最高!」


奏は奈桜の肩を強く叩きながら力強く言う。


「あ…、ありがとう」


その力の入れ具合の強さと、朝っぱらから高いテンションに奈桜は苦笑いする。


「でもほんと奇遇だよね。子供がいるって言う前からオファー来てたんでしょ?」


「ハマリ役だろ?今となっては」


おどけた感じでちょっと偉そうに奈桜が言った。