秀樹が学校から消えて,5日経過した。
担任の先生もクラスメートも,秀樹の失踪について心配している。話によれば,秀樹は自宅にも居ないと言う。
「まさか......!!」と思って,放課後,私と祐里は,学校から一寸離れた山に行って,秀樹が居るか如何かを見に行く事にしたの。

すると,血の付いた手紙が在ったの。
字で秀樹の字だと解ったけど,其の手紙の内容には,衝撃的な内容が書かれてたの。

~僕は誰にも愛されていない,儚い存在だよね!?
お父さん,お母さん,碧,さようなら~―――。

手紙の内容を読んで,愛果は何も言えなくなっちゃったの。祐里も,暫く言葉が出なかったけど,「あいつの命を助けやんとアカン!!!!」と切り出して,手紙を頼りに,一人で山中を歩き始めた。すると,手にナイフを持ったまま,手首から出血している秀樹の姿が在ったんだって!!!!

「愛果ちゃぁ~~~~~んっ,早よ来て!!!!!!!!!!」

祐里の泣き叫ぶ声―――。私も,秀樹の事は『大切な存在』だと思っていたから,「助けなきゃいけないなぁ!!!!」と思って,祐里と秀樹の傍に行ったの。
偶然近くに病院が在ったから,愛果は119番通報して救急車を呼んで,近くの『いなか病院』に秀樹を搬送して貰う様頼んだよ。
幸い,秀樹の命は助かった―――。担任の先生も秀樹が入院している病棟に駆け付け,「大丈夫かぁ!?」と声を掛けていた。

でも,秀樹の病棟に,家族の姿は全然見られなかったの―――。