さわきさんは週に一度は店に来てくれた。
話せば話すほど 彼に夢中になっていく自分。


連絡先を交換した日はもうアスカに嫌がられるほど彼の話をした

それからは毎日、&で連絡を取り合い店以外で初めて会い さわきさんから 「付き合って欲しい」て言われて恋愛にしても仕事にしても 怖いぐらい何もかも順調で


あっという間に一年が過ぎて うちも19歳になってた。


でも時々…彼の行動で不安になる事があった。でも その時のうちは初めての愛され感と大人の魅力にドップリ浸かってしまってて彼の優しい言葉で そんな不安も消しさってしまってた。


それからも幸せストーリ-はしばらく続き もうすぐ20歳
うち、かなり幸せや。

土、日は本社へ戻らないと行けないらしく 親戚の家で泊めてもらってるし今では通用しないけど…電波がよくない場所やから連絡はあんまりできないって言われてた。
うちは 社長さんて大変やなぁって その土曜も店に出てた。


うちを指名してる人がおるって言われ席に行ったら 彼と一緒に一番 初めに来てくれた人やった。


「久しぶりです」とか適当に挨拶した後…うちは彼の本当の正体を知った。


その人は「人生これからの君が これ以上、苦しまないために…」とわざわざ教えにきてくれた。


彼は四年前に結婚してる事。もうすぐ待望の赤ちゃんが産まれる事。本社に戻るって言うてたのは家に帰る理由だった事。うちが時々、片隅で感じてた不安パズルが、みるみる埋まって完成

名前と年齢と職業以外…ウソウソウソ
うちに言ってくれた言葉も 何もかも ぜ~んぶ嘘やった。


うちは必死な想いで彼に電話した。
「お客さまの…電源が入っていません…」のアナウンス


チーンゲームオーバ


その後の記憶は
吐くまで飲んだって事だけ…

その人は 長い時間、うちを慰めてくれてたらしい。今思えば…その人にとって何も関係のないうちに お金を使ってまで教えに来てくれたんやな…めちゃめちゃ感謝でイッパイ。

うちは夜の世界で初めて学んだ事…それは人生最大に人を傷つける方法が愛してる人からの裏切りと嘘ってコトを

そしてもう一つ。
その日から飲み潰れの毎日の中で…自分の体調の悪さに気付いた…

ツヅク