YUU SIDE




『先生、

ありがとうございました!!』



『おぅ。

気を付けて帰れよ。

また来週な。』






…これで今日すべての

生徒が

塾を後にした。








『塾長、

お先失礼します!!』





『あぁ。

お疲れさま。』







ぞろぞろと

他の先生たちも

帰ってゆく。






気づけば

取り残された俺。










『…ふぅ。』






…塾長という立場に

登りつめることはできた。





でも仲の良かった

先生たちは皆

それぞれの道を歩んでいる。



…俺だけが

本当に

取り残されているんだ。







でもだからといって

俺は

自分がどうしたいのか

あるいは

何をしたいのか

わからない。






生活は十分にしていけるし

この仕事も楽しい。










…だが。



自分の中のどこかで

違う世界に…

あの3人のように

進みたいとも思っている。