うそだ。

これは悪い夢。

最近、運悪いし…

だから


和泉がこんな悪口言うなんてあり得ない。

「あと、これいらねーや」

和泉は乱暴にネックレスを引きちぎった。
そして、もう必要なくなったネックレスは捨てられ、和泉の手に残ったのは、あのシルバーの指輪だった。

「どういう…い…み…」

きっと心の中ではわかってる。
わかってるけど、頭が追いつかない。

未だにこれは夢だと思いこんでる。

…いや、思いこみたいだけなのかもしれない。

「バカだな。捨てるってこ・と」

和泉はポンッポンッと指輪を投げ続ける。

¨約束忘れたの!?¨

そう怒鳴ってやりたかったけど、本人の行動、言葉…
すべてを見ていると、涙があふれてきて、止まらなかった。

「やくそ…く…」

「正直言うと、俺約束って覚えてねーの」

人差し指で和泉は自分の頭を差す。

「暗記力、ないから」

「だめ、絶対だめ!」

「なんで羽生にそんなこと言われないといけないわけ?
俺、校則引っかかりたくないんだぁ。
ま、そんなに必要ならお前が持っとけ…よっ!」

ービュッ