中は薄暗く機材があちらこちら散らばっている。
私達は足音をたてないように進んでいった。
「・・・p‥h‥」
奥から話し声が聞こえてきた。
息をひそめ、機材の隙間から覗くとそこには手を縄で縛られていて座っている角島さんがいた。
そして、いかにもヤクザっぽい男達が数十名と大きなソファーに腰をかけている男。
こいつらが誘拐犯。
一応、無事にいた角島さんを見て少し安心した。
「それにしても楽勝でしたね」
若い男がソファーに座っている男に話しかけた。
「警備員の数増やしたって数合わせだろ。これで身の代金も軽く一千万はいくだろうな」
ゲスな笑い声が倉庫に響く。
かなり気分が悪い。
『ヒース』
後ろから小さい声でラックに呼ばれた。