あの人こと、和哉に出会ったのは十八歳の冬だった――。

 私は高校を卒業し、大学に通っていた、その頃の話しである。

 茶髪に、流行の服を着て、自分に対し自信に満ち溢れていた時期でもあった。しかし、その頃は真面目に大学へ行くよりも、地元の友達と遊ぶことに夢中で、結局大学を中退し、将来のことなんてまるで考えていなかったのだ。

 あの日、親友の美久から電話がかかってきたのは、午後八時を過ぎていたことを記憶している。


「結麻、今暇? 隼人が友達二人連れてくから、結麻も誘ってドライブ行こうって」

 
 私は丁度彼氏との電話を切り、退屈していた。この時、大輔という彼氏がいたのだが、あまり上手くいっておらず、電話で喧嘩した直後だった。

 大輔は今考えると、当時にしてはしっかりしていて大人っぽかったと思う。けれども、その頃の私はどちらかというと、ちゃらちゃらしているタイプだったこともあり、意見が合わなかったのかもしれない。

 そしてむしゃくしゃしている気持ちもあって、美久の誘いにのることに決めたのである。


「了解~。じゃ待ってるね」


 美久は小学校からの友達で、明るく、背の高い女性だ。

 私の家の近くまできたら、また電話すると云っていたけれど、隼人の友達二人って誰だろ? 美久が名前をいっていなかったところをみると、美久も知らない人かもしれない。

 隼人は美久の幼なじみで、去年私は隼人に告白されたのだが、振った相手でもある。美久は、隼人と私をくっ付けたかったらしいが、隼人を友達以上には思えなかった。だからそれからも友達関係を続けている。