私は和哉と朝日が昇るまで一緒にいた。
 すぐ側にある穏やかな川に朝日が反射して、キラキラと揺れている。

 とても幸せを感じ、私は大輔とは別れることに決めたのだった。

 家に帰ってからも余韻は残り、思い出すだけで、ドキドキしていた。

 
 帰り際、和哉は私にこう云ったのである。


「俺、結麻ちゃんのこと始めて逢った日から好きだった。そういうの一目惚れっていうんだろうな。一目惚れしたのも始めてだし、どうしても忘れられなくて、毎日結麻ちゃんのことを考えていたんだ。ずっと俺の側にいて欲しい」


 和哉の言葉が何度もリフレインして、私はその度に目を閉じ、和哉の端整な顔を思い出していた。背景すらその一部として私の脳裏に焼きつき、今も覚えている。

 それから次の日、私は大輔に会いに行った。別れるために。


「私と別れて」


「やっぱり、他に男が出来たからだろ。分かった」


 半ば投げやりに大輔は云うと、別れることを承諾した。