芳人と智沙は機嫌良く、手を繋いで歩いていた。


「今日は楽しかったぁー。芳人、彼女と別れてくれたしぃ」

「良いって。今の俺は智沙が一番だし」

「もー、芳人大好きぃ」


ふと、芳人は駅前に一人で佇む少女を見つけた。
そのまま智沙の手を離し、芳人はフラフラと少女に近寄った。


「君、可愛いね。名前は?」


少女は驚いて、芳人を見上げた。


「えっ、あっ、楽山…花凛(ラクヤマ カリン)です」


異変に気付いた智沙は、驚いて芳人に駆け寄る。




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