ケータイ小説 野いちご

【シナリオ課題】 涙はせめて貴方へ

1  喫茶店





喫茶店の窓際の席に、城ノ内かおり(ジョウノウチ カオリ)は一人で座っていた。

彼女は人を待っていた。


「芳人、遅いなぁ…」


時計を見てそう呟いたかおりは、テーブルの上に置いてあるカフェオレを一口飲んだ。
もう15分も遅れている。


「いらっしゃいませー」


店員の声に振り向くと、上野智沙(ウエノ チサ)を連れた芳人が入ってくるのが見えた。
芳人と智沙は、そのままかおりの席の向かいの椅子に座る。


「悪ぃ。ちょっと電車が遅れちゃって」

「ごめんねー」


芳人は少しばつが悪そうに、智沙は全く悪びれずに言う。
かおりは遅刻の言い訳より、わざわざ呼び出された理由が知りたかった。


「…良いよ、別に。で、急に呼び出したりして、どうしたの?」




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