ケータイ小説 野いちご

記憶の方程式(2011年10月15日更新)

冷たい雨

花火会場で怜人と別れてからどうやって家に帰ってきたか覚えていない。


部屋に飾ってある怜人との写真も、お揃いのマグカップも、怜人のお気に入りの部屋着も、


全部、全部。


片付けなきゃ。


部屋着を抱き締めながらひたすら泣いた。


「怜……人……」



私が泣くと抱き締めてくれる怜人はもういないから、


一人で、泣いた。

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