PM9:00 思ったより遅い帰りになった。 「にゃーっ」 朝はしなかった足音を立てながら猫が駆け寄って来た。 よほど空腹らしい。 「今は本能を抑えることができないんだな」 飯はまだか、と急きたてるように足元から離れようとしない。 靴を脱ぎ、リビングへネクタイを緩めながら入る。 キャットフードの適量をきちんと測り、えさ入れを差し出す。 床に置き終える前に食いつく猫。 朝は見向きもしなかったくせに。