「ひぃまぁー」

私はそう呟いて足をばたつかせた。
海の方向へ向いて酒樽に座っている。

こんな時に限って、一人なんだもん!
と、私はぶーたれた。

ここはアテ島の北に位置するガダ村。
(正式にはアテ島北区ガダ村っていうんだ)
ボレアス島のギリア村と船の行き来がされている町だ。
今回初めて仕事でガダ村にきた。
本来私はアテ島南区ラガ村にある、傭兵所の人間である。
五日前にラズ村長(村長は傭兵所のトップと兼任される)に命令され、四日前にラガ村から三人で旅だった。

……三人だったんだけど。
ガダ村で解散になったんだ。