あの日から僕は、毎日の様に同じ夢を見ていた。


建物が激しい炎に包まれていて、少し若い母さんが、何かを叫びながら泣きじゃくる夢。


でも、何を言っているのかは分からない。


でも…その建物に誰かいる様な。


そんな感じ。


まあでも、夢は夢。

寝苦しくて、夜中に目が覚めた僕は、一階に降りようと部屋を出た。


階段を降りてすぐ、母さんの寝室が有る。



「……ん……けて…。」



寝室から微かに聞こえてきた、寝言の様な声。


「母さん…?」