ズキン


痛みが走る。

ふと目が覚めると、辺りはまっくらてで、体を起こすと、シュルッと布が落ちた。
サラリとした感触が、体を撫でていったことに気付き、ふと、自分の体を見た。

「!?」

何故か何も身につけていなかった。思わず、さっき落ちた布を拾い上げて、体に巻き付ける。

「あら…」

不意に声がした。暗がりで辺りはよく見えず、キョロキョロしていると、急に後ろから、スルリと首に手が巻き付いてきた。

「!?」

驚いて体が硬直する。
巻き付いてきた手が、そっと右の頬を撫でてきた。

「なにっ!?」

体をよじり、絡んでいた手を振りほどく。