ふと気がつくと、フカフカの布団の中だった。


…なんだ。夢か。


ほっと胸を撫で下ろすと、幸姫は頭まですっぽりと布団をかぶった。


へんな夢だったぁ…


そう思った時だった。
さっき一瞬、目を開けたときに見えたのは、見覚えのない天井だったことに気づく。


…いや、確か旅行に来てるから、家と違うのは当たり前。


そう思い直してさらに気づく。


…ホテルに泊まってるのに、なんで天井が木造?


恐る恐る布団から顔を出す。そして、ホテルでも、家でもない場所だということに気づく。

「うそだ…」

絶句する幸姫に、トドメをさすかのように、喜多が部屋に入ってきた。