あたしと春くんは幼なじみだった。
「なっちゃん、僕ね、好きな子が出来たんだ。」
「…え?だあれ?」
「…なっちゃんだよ。」
あんなに素直でいい子だった春くん。
なのに…なのに!
今じゃピアスに茶髪に…周りには女の子だらけ。
春くんを見ていると
「何?」
「…べっつにー」
昔は『なっちゃん』って呼んでくれてたのに今じゃ『おい!』とか…
昔の春くんを返してー!

「ねーえ?春馬ってさー池谷さんと仲良くない?」
「はー?ないない…俺あんな奴知らねーし?」
オイオイオイオイ…
知らねーしはないだろ!
「きゃはははっ!池谷さんって絶対春馬狙ってるよお?ちょーきもいんだけどおっ」
…(怒)
きもいのはおめーだ、遠藤紗耶香!
あたしは知っている。
お前は友達の彼氏にすぐ手を出すって有名だ!

「春馬くん、すごい人気だねー!幼なじみとして夏樹妬いちゃうんじゃない?」
「怜香ああ?ありえないんですけどっ!あたしは遼様一筋だしっ♪」
怜香っていうのはあたしの親友☆
遼様っていうのはあたしの大好きな先輩!
「はいはい…遼様遼様ってあんなののどこがいーだかねえ…?」
「怜香にはわかんないよ!遼様の良さはっ!」
あたし遼様溺愛ですっ!