「……でも、『朱里』って
女の子みたいな名前だよね。

すごい綺麗な響きだけど」




あたしは、ふと思ったことを
聞いてみた。


水橋は、ちょっとビックリした顔をして




「ぁー、それよく言われる」



と言った。


なんか、複雑だよね。

こんなこと言われるの……




「なんか、ごめん……

ただ、気になって…」



「…いや、いいんだけどさ。

女にもいるじゃん。
しげる とか ゆうき とかさ。


俺は、小さなときに
女みたいな顔してたから。」




水橋は、ちょっと

照れたように言った。



「……なんか

水橋、全然キャラ違うんだけど」


「…ぇ?」


「なんか、今朝とか
めちゃくちゃムカつくヤツだったけど……

ちゃんと話せるじゃん」




ニヘっと笑うと

どことなく水橋の顔が
赤くなった。


………??




「そうかな…?
まぁ、でも勝負はやめねぇけど」


「当たり前!!!
ムカつくことに変わりはないっ!!!」




やっぱり、勝負するのは

なくなったりしない。



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