―――ヴーヴー


『あ、鳴ってる。』

白井弟の背中を擦りながら携帯を開く。


凌チャンさんからだ。



『もしもし??』

(のん?まだ学校??)

『学校ー。』

(俺、迎え行くわ。
10分後、校門出てこれる??)

『うん。待っとる。』

(じゃ、後でね。)

『はいはーい。』




凌チャンさんは、たまにこうやって学校に迎えに来てくれる。


最近、学校近くで不審者がでるらしいから心配してくれてるみたい。



ふと、横から視線。


いつの間にか泣き止んだ白井弟が、あたしをガン見してる。


『どした??』


「今の、彼氏ですか??」


『なんでわかったの??』


「顔が幸せそうでした。」



……いやん。