そこには、とばく場のじょうれんきゃくの一人である、ねこさんがいました。 ねこさんはとばく場のすれた空気の中で、きわだつ明るさとかわいさを持ち合わせたねこさんでした。

 ぶたさんとは、ぶたさんが大勝ちした時の飲み会でよく顔を見るていどの知り合いでしたが、なぜ今自分の家の前にねこさんがいるのか、けんとうもつきませんでした。


 「さいきん、とばく場に顔を出さないね。体調でもくずしたのかと思って」

 「いやあ、そんな事はないんだけど、ちょっとね」

 「もしかしたら、かけ事で負けがかさなってる事とかんけいしてる?」

 「・・・・・・」

 「だれだって調子がわるい時はあるよ。気にしたら負けだって」

 「そ、そんなことは・・・」

 「・・・・・・ぶたさん、これあげるっ」


 そういってねこさんが手渡したのは、一通の手紙でした。 ぶたさんがキョトンとしていると、ねこさんは顔をまっかにして走りさってしまいました。 手紙の中身は、なんとラブレターでした。