「稚早」



ある日の移動教室中

聞き覚えのある声に呼び止められて、あたしは足を止めた



「…」

「無視?」

「…何?……朔弥(サクヤ)」



振り返ると、久しぶりに見る人



「冷たくね?」

「…元カレに優しくする意味なんてないでしょ」

「まぁ、それはそうだけど」



あたしは全く面白くないけど、朔弥は楽しそうに笑う

それは、付き合ってた時と変わらない笑顔


…もう3ヵ月になるんだ
朔弥と別れてから