ある夜、それまでとは違う「夢」を見た。

そのゆめはひどく曖昧で、
どこか外で若い女が男にナイフか何かで刺される、という夢だった。

はっきりとみえたのはその女の顔と黒い傘だけ。

次の日の昼休み、来夢はその女と話していた。

橋本未華(はしもと みか)、今年26歳になる来夢の担任教師だ。

中々の美人である。

「私が殺される?」

「殺されるかもしれない、です。」

「一体だれに?」

「それはわかりません。男だと思うんですけど、なんか心当たりとかありますか?」

「うーん、そう言われても…」

「なんでも良いんですけど…」

「あっ、そういえば!」