教室に戻ると佐伯さんがいた。
彼女は食べるの遅くて少食なんだ。
だから皆でお弁当タイムが終わってもいつも飲み物が残る。

パックのジュースなんてすぐ飲み終わる気もするけど、佐伯さんは違うらしい。

僕は少食の女の子より、沢山食べる女の子の方が好きだ。
本当、なんでこんなに気になるんだ?

「いちご牛乳好きなの?」
隣に座りながらって言っても僕の席だけど、佐伯さんに聞いてみた。
「うん。美味しいもん。いつもこれ」
知ってる。

「つぶつぶいちご牛乳も新しく出てたよ」
ちょっと興味深そうにこっちを見て
「そうなんだ。でもつぶつぶいちごはちょっと」
いちご牛乳はよくてつぶつぶは駄目なのか?
「同じいちご牛乳じゃん」
わけがわからん。
「いちご牛乳が好きなのよ」
ちょっと困った顔をして彼女は言う。

「あや~。」
元気な声がしてやなぎが現れた。
ちっ。もう学食から帰って来やがったのか。