───── ── あれから約二週間がたった。 成海はあの後、退部届を部長と監督に自分から出しに行って、学校をやめる手続きもして。 成海の衝撃の中退の話は、野に吹く風の如く一瞬で知らされて。 これもまた野に吹く風の如く、 一瞬で何もなかったかのように消えた。 成海の教室には、成海の座っていた席こそなくなって 野球部の部員数が減ったのと同時に、 俺の相方は 何一つ文句を言わない、ピッチャーマシンへと姿を変えていた。