ピピピピピピっ......

どこかで目覚まし時計が鳴っている。

「うーん......うるさいなぁ。」
私は、半分寝ぼけながら、ベッドから起きて、時計を見た。
時間は5時。

やばいっ。4時25分の列車に乗り遅れた!っと焦った後、一週間前に引っ越して、7時30分に家を出れば良い事に気付いた。

......良かった......

ピピピピピピっ......

相変わらず、目覚まし時計のアラームは鳴り響いている。

音の先は、もしかしなくても、左隣の安東隆海の部屋だ。

あれから、妙に恥ずかしくて、合っていなかったが、仕方がない。

起こしにいこう。
ほら、近所の人もうるさかったら迷惑だもんね!

と、一人納得して玄関先まで来た。

―ピンポーン
......
相変わらず、すぐには出てこない。

......暫く待っても出てこない。
遅いな。
鍵、掛けてるよね?でも、掛けるの忘れてたりして......
確かめてみると、案の定ドアは開いていた。
危なっ。警戒心なさすぎでしょ!

どうしよう......中入って良いのかな?アラームは鳴りっ放しだし......

よし!「失礼しまーす。」
小声でそう言って、私は中に入って行った。

部屋の中は、この間掃除したばかりだというのに、凄く散らかっていた。

それに......
「お酒臭い。」

昨日は、たくさんお酒を飲んだのか、空になったビール缶が無造作に置かれていた。

本当、学校の時の先生とは大違い。

とりあえず、私は鳴り響いている目覚まし時計のアラームを止めて、次にどうしようか考えていた。

先生起こした方が良いかな?視線の先には、ヨレヨレの服を着て、グチャグチャなベッドで寝ている先生の姿。気持ち良さそうに、軽い鼾をかいている。

はぁ......
今日から学校だし、放っておいたら、遅刻しかねないし、起こしてあげるか。

「先生。起きて下さい?もぅ朝ですよ?」
軽く先生の肩を叩いた。

「うーん......」

返事はするものの、起きる気配は全くない。

「先生!」

グイッ!

いきなり手を引っ張られ、私は先生の所に倒れこんだ。

「先生!?」