雨の音に目を覚ました。


まだ雨なんだ……。


雨だと気分が憂鬱になってしまう。


学校行きたくないな……。



トントン


杏梨の部屋のドアがノックされた。



「ゆきちゃん 入って?」


わたしは急いでベッドの上に起き上がった。


まだ眠い目をこすっているとゆきちゃんが姿を見せた。



「おはよう」


「はよ……」


まだ眠そうなわたしにゆきちゃんが微笑んだ。


「朝食出来たよ」


一緒に生活するようになってわたしが大体お料理はするけれど、時々ゆきちゃんは作ってくれる。


「あ……ごめんね」


枕元の目覚まし時計を見るといつもより30分遅い時間。


寝坊しちゃった。


もそっとベッドから降りて伸びをする。


伸びをする杏梨を見てまるでネコみたいだなと思った。