「ぅ…あ――――ッ!」

キーン。


「クロード様、起きたみたいですよ…」

「…聞けばわかる」

「人間の赤ちゃんってこんなに煩いんですねぇ」

「…何とかしろ」

「知りませんよぉ」


サンルドは小さくため息を吐く。


「赤ちゃんなんて初めて見ましたし…」

「俺だって初めてだ」

「うーあ―――――――ッッ!!」


抱き上げて撫でてみるが、
止むどころか更に泣き出した。


「どうすれば…」

「クロード様が拾ってきたんですよー?」

「………」


僕は知りませーん、
と言ってベットに転がるサンルド。

数秒後、すう、と寝息が聞こえる。

お前、俺の元世話係だろ。


「ちょっと、隣のお客様から苦情が来てるよ!」


扉を勢い良く開けて入ってきたのは、
この宿の女将。