1993年


俺がまだ中三の頃。


雨が降る平日の夕方。


須藤中の奴ら5人とケンカをしていた。


さすがに1人じゃ、5人相手はキツかった。


3人は倒したんだが、後2人って所でその2人にボコボコにされた。


雨でぐちゃぐちゃになった土で、学ランも真っ黒。


ボロ雑巾のようにされたよ。


こりゃさすがにヤバいっつう事で、ポケットに入れてあったナイフを取り出したんだ。


本当に殺してやろうかと思った。


相手もナイフにはちょっとびびってたし、イケるって思ったよ。


そしたら、そこに現れたのが【茶羽ゴキブリ】。


茶色の学ランに腰ばき、金髪オールバック。


背も180以上ある感じで。


須藤中の連中も完全にびびっちゃってさ。


俺も財布の金取られるくらいで済めば良いけど、なんたって相手は【茶羽ゴキブリ】だろ。


殺されっかと思ったよ。


そしたらそいつ…


『1、2、3、4、5…人か……

君は1人か??』


とか言ってきたんだよ。


俺が頷いたら…


『5人相手に1人でケンカ売るなんて、勇気ある少年だな。笑"

ただ、ナイフは反則だよ。