愚痴をこぼすのは過疎化状態の店でのこと。



「んでさぁ、あたし、ユキナのあそこまで件のな顔を見たのはじめでたんだぁ~」


ショップの中の棚に寄り掛かり、はたきを回す。



「ユキナちゃんにとってあまり良い男ではないようだな♪」


得意げに上から物を言う正木悠太。



「私用を持ち来ないでほしいですね」


その隣で仏頂面で作業する副会長。



「これも私用だがな」


「いえ、これは学校への貢献として宜しい事だと思います」


「そうかぁ?そう言われると嬉しいなぁ♪」



なんて正木悠太と副会長の微笑ましいひと時をあたしは故意に邪魔した。



「あんたなんでここにいるの?」


副会長は流し目で睨んだと思ったら、微笑む。


「会長を支えるのが私の役目ですから」


下心見えすぎだろ。


「できた副会長だ」


正木悠太はのんきに言う。


あたしは逆にひん曲った事をいた。



「人手は足りますが」


「まさか」


彼女はポケットからあたしがあげたゆがんだケーキのストラップを取り出し、それを突き出した。