「アオイ、もう水槽の照明、落としちゃっていいよ」

あなたを見送った私は、人魚姫に自分が付けた名前を呼んで、

「わかった、コウタ」

彼女は私の隣で黒い瞳を細めて笑みをこぼし、長い長い真っ黒な髪の毛を揺らして店の奥へと戻ってゆく。