この世界に、僕がいていいの?

この世界にはいらないものでしょ。

あの日母から言われたことは、僕の人生で一番の問いとなった。

『お前なんて、生まれて来なければ良かったのに。』

その言葉を聞いた瞬間、
僕の存在している意味を考えるようになった…

『お前なんていらない。』

そう、僕はこの世にはいらないのだ。

何故僕は生まれたの?

何故僕は生かされているの?

悲しい親子の死別、尊い命が失われたという現実があるのに、何故僕はそんなかわいそうな人よりも長く生きているんだろう?

この世に必要な人が消え去っても、僕は何故反対に生かされているの?

死ぬのは、この世に不必要な僕だけでいいだろう…

僕は、頑張ってこの世に必要な存在になろうとした。

だけど、できなかった…

最初から無理だったのかもしれない。

あの日の僕は、

力一杯生きていた。

自分を高めようと…

だけど、僕はこの世に必要のないものである事は変わらなかった。

『死ぬなら、楽に死にたい。』

僕はそうは思わない。

死ねれば何でもいい。

誰も止める者はいない。
この世に僕を生み出した、母親さえも、僕を必要としていないのだから…

僕に生きる資格などない。
そう思った瞬間、
小さな暗闇が見えるようになった。

暗闇は徐々に大きくなっていく。

僕を包み込んでいく。

あぁ、痛い、全身が焼けるように痛い。

燃え尽きてしまいそうだ。

だけど、僕がこの世からいなくなれる代償がこれならば、それでも構わない。

でも、最期にひとつ言いたかったことがある。


この世が優しさで満ちていたら、こんな思いは、しなくてもよかったのだろうか…

僕は、痛みとともに…


消え去った…