「こら!ヒヨリ!お尻隠さないと風邪引いちゃうよー!」


オムツ片手に追いかける私を、からかうかのように、下半身丸出しのヒヨリがハイハイで逃げ回る。


「こらぁ!つかまえたぁ!」


「キャハハ!」


とうとう私に捕まり、くすぐりの刑を受けたヒヨリは、布団の上で体をくねらせながら、嬉しそうに笑った。


そのすきに、素早くオムツとズボンをはかせて、ようやくお着替え終了。

再び逃げようとしたヒヨリを捕まえると、私は思い切り抱きしめる。


「ひぃたん、可愛い!ママの宝物ちゃん!」


つきたてのお餅みたいに柔らかなほっぺにキスをする。


ヒヨリは、イヤイヤと、体をそらせ、私の腕からすり抜けようと必死。
それでも、私はキスを浴びせ続けた。


ヒヨリの顔は、ヨダレと鼻水でベトベトなのに、少しも不快じゃなくて、むしろ、それすら愛おしくて…。


笑った顔はもちろん、泣いた顔も、怒った顔も、拗ねた顔も、どれもこれも可愛くてたまらない。

この子は私の宝物。


大事な、大事な、世界に一つだけの宝物。