君にとって、
俺はどんな存在だったんだろう。


俺は本当に愛してた。


でも君の気持ちは伝わってこなかった。

俺じゃ君のその闇は取り除けなかった。


俺は久原翔(ひさはらしょう)。

高校3年生。


俺には1つ下の彼女がいる。

2駅離れた高校に通う彼女とは、
街で偶然出会った。


友達と遊んだ帰りに、俺は街を1人歩いていた。

すると、
前から1人の女が走ってきて、
俺にぶつかった。


それが彼女、
宮野沙南(みやのさな)との出会いだった。


ぶつかった沙南を見ると、泣いていた。

俺は気になってたまらなかった。

だから、走り去ろうとした沙南を引き止めた。


『何かあったのか?』って聞いても、

ただ泣くだけの沙南に俺はなんか惹かれたんだ。