「ここが<悲しみの湖>」
霧がかった暗い湖がディアス達の目の前に広がっていた
「なんか気が滅入る湖ね」
「知らないのですか?この湖の言い伝え」
「言い伝え?」
アリスが一歩前に出て、話し始めた
「昔々この湖のほとりに、両親が幼い時に死んでしまったかわいらしい少女がいました、少女は両親の残してくれた家に住んでいました、少女はいつも湖で水くみをしていました、そんな少女をいつも見ている人がいました、その人物はこの湖の主です、主は少女のことを愛してしまい、どうすれば少女と仲良くなれるのかと悩んでいました、悩んでる主の元へ一人の魔女がやってきて、こう言いました」
「お前がここの主かい」
「そうだ、貴様は誰だ」
「私かい、私は西から来たただの魔女じゃよ」
「その魔女が私に何かようか?」
「実はこの池にある水晶を一ついただきたいんだけど?もちろんただとは言わないわ、あんたの願い事を一つだけ叶えてあげる」
「願い事を?」
「えぇそうよ、聞くところによるとあんたは、あの小屋に住んでる娘のことを好きなんでしょ?」
「なんで貴様が知っているんだ」
「私は魔女だよ?あなたの心ぐらい読めるのよ」
「そうか」
「私に水晶をくれるというなら、あなたのことを人間の男の子にしてあげてもいいわよ」
「本当か?」
「本当よ、魔女は嘘をつかないわよ」
「なら、私を人間の男の子に変えてみろ」
「それは水晶をもらってから」
「わかった、だが、嘘だった場合はわかってるな」
主は魔女を睨みつけた
「わかってるわよ、そんな怖い顔をしなくても、ちゃんと約束は守るわよ」
「わかった」
主はそう言うと湖の中から水晶を1つ宙に浮かし、魔女に渡した
「ありがとう、じゃあ、あなたを人間の男の子にしてあげるわ、でも一つだけ条件があるわ」
「条件?」
「あなたを人間の男の子に変えてあげるけど、もし、あなたがこの湖の主だと決してバレてはいけないわよ、わかった?」
「あぁ、わかった」
魔女は杖を取り出し振ると
主は光に包み込まれ、男の子の姿へと変わっていた
「服はおまけよ、バレないように気よつけてね」
魔女はそう言うと光に包まれて消えてしまった