そのピンクダイヤモンドの結婚指輪は、月子の姉・麗子がはめるはずだった 麗子の長くて綺麗な薬指にはめられるはずだった指輪は、妹・月子の薬指にある それが、全ての始まり── 6月の雨の日、結婚式を控えた姉が、いなくなってしまった たった一枚の紙を残して 「今更結婚式を中止するわけにはいきません!」 結婚相手、園村 忍の母・美登里が甲高い声を上げて月子の両親を怒鳴りつける 「分かっておりますが、娘は・・・」