真っ赤に染まる空は、月子を早く帰ろう、と急かしているよう

忍が優しい気がするのは、きっと気のせい

自身に言い聞かせて、月子はイスから立ち上がる


「・・・・・・・・・月子ちゃん?」


教室を出ていく月子の姿に、真子は何も言えずに見送っていた





校門に見える、向かいの車

見た瞬間、胸が苦しくなった

逃げ出したくなって、月子は正門とは正反対の、裏門へと駆け出した