「信じらんない 」



放課後、ラインを開いてため息をついた。



『 椿姉:今日遅くなるからそっち行けなくなった! ごめん! 』 15:45



約束したその日に約束を破る小嶺椿。


仕方ない。


今日は1人で帰るしかない。



肩を落として玄関へ行くと、ちょうど優希と会った。



「樹里、また明日ね 」


「またね 」



そう軽く挨拶して別れると、下駄箱を開けた。


ローファーがない。


まさかと思って、玄関の角に置いてあるゴミ箱を覗いた。


中からゴミにまみれたローファーが出てきた。



「あのくそガキ 」



拾い上げると、ほこりやゴミくずを払ってそれを履いた。