「行ってきます…。」



━シーン━





こんなに静かな
朝は初めて…。



いつもなら…




───────…………




「行ってらっしゃい!あなた」




そう言って、のいろけババァはお父さんにキスを求めようとしている。




「おい…、お前胡桃がいるだろ」




そう言って、困ったようにあたしを横目で見ながら身を引いている。




あたしが、いなかったら
するんかい…。




「えぇー…。あら、胡桃まだ居たの? 早く行きなさい、学校遅刻よ?」




いかにも、出ていけっと言わんばかりに手で払いのける。



…こんにゃろ!!




「言われなくても、今すぐ行きます!!」




ムカツク!




「行ってらっしゃーい!!さっ、あなた!!!胡桃も行った事だし…ほら、ちゅー」




「まったく…お前は」




いやいや、あたし
まだ居るけど…。






──────………





「こんな、感じなのに…」



こんなにも、騒がしいのいろけババァが恋しいと思うなんて…。




あたし、変に
なったのかな?




「…はぁー…。」




とりあえず、もう行こう。