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時間もすっかり遅くなってしまったので、とりあえず着替えだけ済ませメイクと髪型はそのままで楽屋を出る。



どうせもう帰るだけだもんね…家で落とせばいっか。




駐車場に繋がる出口に向かうため、さっき撮影したスタジオの前を通る。中ではスタッフさんがいそいそと片付けをしているところだった。




………………あ、そういえば……泉サマはどうしたんだろう…



撮影の途中で気づいたらいなくなってたけど…先に帰っちゃったのかな…



それにしても……




女の子版・泉サマ



尋常じゃなく可愛かったなー………



男の子があれだけ可愛かったら女の子も立場ないよ…



なんて…こんなこと本人言ったらスゴい怒られそう…


可愛いなんて泉サマにとっては悪口以外の何物でもないんだもんね。



あたしは泉サマの可愛い顔、好きだけどな……素直に憧れちゃう。





そんなことを考えながら歩いているとベンチの前に立っている泉サマが目に入った。




帰ってなかったんだ!




「お疲れ様です!」



「………おわあ!か、神戸………」





声を掛けると泉サマはものすごい勢いで驚いていた。



あたし…そんなに大きい声出したつもりないんだけど…






「奏くん、まだ来てないんですね。」



「ああ…」








………………泉サマ?