「春ちゃん。春ちゃんは今恋してる?」


昼休み。

運動場で走り回る男子を見ながら、あたしは言った。


「なに?急に??」

隣で同じように外を見ていた春ちゃんは、顔をあたしの方に向けた。


「いや、ちょっと……」

「あぁ、今璃衣恋してんだ」

「ち、違いますっ!」

「いいっていいって。ま、あたしもしてるけど」


春ちゃんは外に向けていた体を離し、窓によりかかりながら言った。

「マジ?」

「うん。2組の山谷君に、岸畑君。あと……」


次から次へと出て来る名前にあたしは苦笑した。