ケータイ小説 野いちご

カラダだけでも愛して

1:繋−tunagari−



夜9時あたしは雑誌を読んでる。



飴を舌で転がしながら。


―ブーッブーッ



あたしのケータイが光とともに震えた。



「もひぃもひぃ?」



飴を食べてたから上手く喋れなかった。



「雛?今日大丈夫?」



アナタの声で胸が跳ねる。


低く透き通ったアナタの声。



「うん!」



「じゃあ待ってるから」


それだけ言うと電話は切れた。



あたしは雑誌を投げ捨て服に着替えた。



どれにしようかなとウキウキで選ぶ。



髪を横でまとめて部屋を出た。



親のいるリビングをそーっと通って家を出た。



アナタの家まで徒歩10分。



迎えにきてくれたことなんかない。

< 2/ 89 >