リビングの奥にあるバスルームから普段は聞こえない鼻歌が聞こえてくる。


その鼻歌は、今風呂場に俺の大切な人がいるのだという事を示していて、俺はどうしようもなく嬉しくなった。


「なにニヤニヤしてるのよ、気持ちわるい」


そんな俺に向けて、母親が言う。


「べ、別ににやけてねぇよ!」


「あらそぉ? じゃぁ今日は唯ちゃんと別々の部屋で寝なさいね」