ハヤトは例の組織との接触に成功させた時、エースとジャックは、ライブハウスの近くで待機していた。もしハヤトの身に万が一があった時の為の、手助けをする為に…。

そして、ハヤトから無事に成功した報告を受けると、ライブハウスからすぐさま離れ、エースとジャックは、近くの自然豊かな公園のベンチでタバコをふかしていた。

「しかし、ハヤトは本当に凄いな。イカれた連中って聞いてて、一人で何のためらいもなく突っ込んで行くんだからよ。流石は、若くしてジャッジタウンのマスターになったってところか…」

「確かに度胸は凄いね…一応俺も突っ込む準備はしてたんだけど、必要なかったみたいだし」

エースはそう言うと、足の袖をめくり、ジャックに笑いかける。その様子を見たジャックは、かなり引き攣った顔をする。

「笑いながら言うな、怖いから…お前のナイフ捌きにかかったら、あのライブハウスは心霊スポットに変わっちまう」

「俺も子供相手に、そこまでするつもりはないから。少し慌ててもらう程度にしかしないよ…」

それはそれで怖いと思ったジャックだった。

「それよりも、俺達はこれからどうする?」

話しを切り替えたジャックは、エースに次の作戦を聞いた。

「俺は予定通り、ハヤトの危険を少しでも少なくする為の行動を取るよ。ジャックはそうだな…銀次と合流してもらえるかな?多分、ジャックの力が必要になるはずだからさ」

「?…とりあえず解った。ところでいま銀次はどこに居るんだ?」

「アイツもいま東京に居るよ。俺が連絡を取っとくから、それまで事務所で待機してて」

「了解…」

エースが何を考え、どうこの事件を推理しているかはジャックには解らない。だが、昔からエースの考えが間違っていた事がない事をジャックは知っていた…。

だから、エースに真意を聞いたりしないし、逆らいもしない。なぜなら、それが信頼関係というものだと、ジャックは考えているから。