「無理だよ…だってヤエちゃん、デブなんだもん。」



今思えば子供なだけに、素直な言葉だったから残酷。



目の前には悪びれもない私の王子様の笑顔。



小学校三年生、初恋の相手である王子様みたいにカッコイイ国満君通称ミツ君に



夏の終わりに転校の決まっていた私は、もう会えなくなるから、最後に好きって言いたかった。ただそれだけなのに。



こんなフラれ方、最低じゃない?



そりゃあ、おすもうさんみたいに太ってるけど。



だけど、私だって女の子だもん。



悲しくて、悔しくて。



絶対痩せてやる!と幼いながら強く決意した。